保育園の壁面製作は「いる?」「いらない?」考えてみてほしいこと

保育
    • 壁面製作って意味あるのかな?
    • 今月の玄関装飾、行事の担当と重なったし…残業必須だなぁ
    • 季節感を楽しめるから必要だとは思うけど、正直大変…

こんな風に感じていませんか?

保育士さんの仕事負担を重くしている原因といっても過言ではない壁面製作

玄関をはじめ、各クラス内や洗面所、窓ガラスまで装飾している園もありますね。

壁面製作は、かんたんに完成するものではありません。

そこで今回は、壁面製作の必要性について考察していきます。

壁面製作はいる?いらない?

改めて、考えてみてください。

壁面製作は必要?

さきに私の結論からいうと、壁面製作は不要だと感じています。

なぜなら、季節感を感じたり子どもの感性を育んだりする方法は、ほかにもあるからです。

私はこれまでに「毎月、壁面製作をする」保育園と、「製作は不要」の保育園どちらも経験しました。

また新卒のときは、壁面製作は「あって当たり前」のものでした。

しかし、徹夜になりながら製作をしていた保育園も、製作が少なかった保育園も、子どもたちの育ちに大きな違いはありませんでした。

子どもたちの感性に大きな差がないのなら、その分の時間を使って、ほかのことができますよね。

えりすけ

もちろん、壁面製作を否定しているわけではありません。

しかし、壁面製作にかかる時間は相当なはず。

壁面が不要になることで、保育士さんの負担も軽減すると思っています。

壁面製作が必要だと感じる人の理由

壁面製作は必要でしょ!」と感じている保育士さんもいることでしょう。

壁面製作が必要だと感じる理由には、以下のようなことが挙げられますね。

「その時期ならではの雰囲気」を感じることができるのは、たしかに子どもにとっていい刺激になります。

登園時、1番最初に足を踏み入れる玄関が明るいと、気持ちも前向きになれることもあるでしょう。

一方で、次のような人もいるのではないでしょうか。

  • 「そんな風潮だから仕方ない」
  • 「どの園もしているもの」だと思っていた
  • 製作はしてもいいけど、時短になる工夫がないとつらい

新卒の場合や転職経験のない人のなかには、「壁面製作は、ごく自然なこと」と感じている人もいるかもしれませんね。

壁面製作が不要だと感じる理由

壁面製作を不要だと感じるのは、「めんどくさいから」といった理由ではありません。

壁面製作を不要とする保育園の理由を紹介します。

自然物でも季節を感じられる

自然物でも季節を感じることができますね。

たとえば、本物の貝殻をインテリアとして棚に飾ったとしましょう。

「動物のマスコットが水着で浮き輪をもっている」壁面がなくても、「夏っぽさ」を演出できます。

同様に、どんぐりや松ぼっくりを飾れば、十分秋の気配を感じることができるのではないでしょうか。

手づくりは、たしかに温かみがあり魅力的ですが、自然物もまた、子どもたちの五感を刺激する素材です。

キャラクターなどはトラブルの原因にもなる

キャラクターが、かえって子どもたちのトラブルを引き起こしているケースもあります。

たとえば、トイレにアンパンマンなどの製作を貼ったとしましょう。

  • 「ぼく(わたし)、こっちがいい!」
  • 「〇〇のほうじゃないとヤダ」

こういった会話が起き、不要なトラブルを招いていることが少なくありません。

トラブル自体は、あって当然であり、子どもにとって必要なことでもあります。

なぜなら、子ども一人ひとりの性格や考え方が違い、ときに言い合い、ぶつかり合いながら、人間関係を学んでいくからです。

しかし、上記のようなトラブルは、意図が違ったもの。

不要なケンカの原因を生み出してしまっています。

現在は、キャラクターものの持ち込みや洋服などを禁止している園も多くありますね。

製作時間をほかの業務に充てられる

壁面製作を自然物へと変えるだけでも、かなりの時間短縮になります。

壁面製作は1日だけでは完成しませんよね。

3日~1週間ほどかかる場合もあるのではないでしょうか。

壁面をなくす、あるいは自然のものに変えるだけで、時間に余力が生まれます。

  • 個人記録を書く
  • 指導案や企画書を作成する
  • 手づくりおもちゃや衣装作りなど、ほかの製作をする

ほかの業務に充てられることで、残業時間や家の持ち帰り仕事を減らすことができます。

クラス担任同士で、気になる子やクラスの方向性について話し合いをすることもできますね。

子どもの製作だけで十分

保育園の主体は、子どもたちです。

なので、本来は子どもの製作を飾るだけで十分なのではないでしょうか。

「製作をとおして子どもの成長を保護者に知ってもらう」のは必要なことであり、重要です。

しかし壁面製作においては、子どもが関わっておらず、100%大人の製作になってしまっている園もあるのではないでしょうか。

画用紙などを切り貼りして苦労して作っても、使用するのは1シーズンのみの場合も多いですね。

壁面製作はいる?チェックするポイント

壁面を作る際に、以下3点を考えてみてください。

  • 季節を感じられるか
  • 子どもの成長を感じられるものか
  • 時間を短縮できる工夫はないか

もし、季節感をだすためだけに大人が製作し、風景のようになっているのなら、壁面製作は不要なのではないでしょうか。

「壁面製作→手づくりおもちゃをつくる」に変えると、もっと子どもたちの発達にあった遊びを提供することもできます。

おすすめの案

おすすめは、自然物や素材を活用するです。

たとえば、玄関にチューリップが生けてある場合、まぎれもなく「春」を感じるでしょう。

ススキやコスモスを飾ると「秋」。

カブトムシやクワガタ、スズムシといった生き物から季節を感じることもできますね。

その時期ならではの草花や昆虫は、子どもの五感に、なによりいい素材になります。

また、布などの生地を活用するのもおすすめです。

生地は使い回しも可能なので、時短にも役立ちますよ。

えりすけ

夏には水色などの寒色の布を棚に敷き、おはじきを入れたガラスの容器を配置するだけで涼しげな印象に。

冬には毛糸のミニセーターや雪だるまなどの小物を置けば、暖かな雰囲気を演出できます。

まとめ

保育士の仕事量は多く、「残業しても仕方ない」とあきらめてしまっている人も少なくありません。

しかし、「なんのために壁面製作をしているのかわからない」と、意味のない壁面製作で時間を費やしているのなら、もったいないです。

自然物や素材、子どもたちの作品のみで、十分ではないでしょうか。

今まで壁面に費やしてきた時間を、ほかの業務に充てましょう。

そして残業を減らし、自分の好きな時間を楽しみませんか。

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