不妊治療をしていても、なかなか赤ちゃんに恵まれない…。
「私、いつまで治療するんだろう」「このままずっと治療を続けても、妊娠できないかも」なんて考えたことがある方も多いのではないでしょうか。
長く治療をすればするほど、先が見えない不安に前向きになれない日もありますよね。けれど、よく考えてほしいんです。
「やめる」=「夫婦2人で生きていく人生に決める」ということ。自分が選んだ選択は、後悔しませんか?治療をやめたら妊娠した!という人もいますが、多数いるわけではありませんよね。
私は、不妊治療経験者として、同じように不妊に悩む方に後悔するような選択はしてほしくありません。
そこで今回は、不妊治療のやめどきをお考えの方へ、
- 不妊治療のやめどきを考え始めたタイミング
- 不妊治療をやめる決断ができたきっかけ
- 不妊治療をやめたあとの私たちの今
など、私の実体験を書いていきたいと思います。この記事が少しでもお役に立てますように。
不妊治療の「やめどき」は頭と心のバランスが大事
結論から言います。
不妊治療の「やめどき」は、頭と心のバランスが取れ、「後悔しない!」と思えるようになった時です。
「やめたほうがいいのかな…」と迷っている・悩んでいる時には、やめない方がいいです。
あとできっと、後悔します。
不妊治療のやめどきを考え始めたタイミング
私は、治療を始めて5年くらい経った時から「やめどき」を考えていました。
理由は、不妊治療がつらかったからです。
治療の経験者ならわかると思いますが、
- 通院
- ホルモン注射
- 投薬
- 採卵
- 移植
全て女の人がすることばかりですよね。そこに、家事や仕事もあります。旦那くんは家事など協力してくれたりしましたが、女の人の負担が大きいのは事実。私は休みなく続けることができなくて、定期的に休憩期間を設けながら、治療をしていました。
食事にも気を遣い、健康にも気を遣い、移植後はドキドキしながら結果を待ち…。結果を聞いては落ち込んで悩んでいました。それがストレスにもなり、心も体もボロボロ状態。今ならわかりますが、こんな状態の人のところに赤ちゃんは来てくれませんよね。
- 私は妊娠できない体なのかもしれない
- いつまで続けなきゃいけないんだろう
- もう、やめたい
- 治療をやめたら妊娠するかも?!
- 子どものいない人生って、どうなるんだろう…
こんなことばかり考えて、検索魔になったりしていました。
- 治療はやめたいけど、赤ちゃんはほしい。
- 旦那さんとふたりでのんびりする人生もいいかもしれない
- 友達や家族・親戚との集まりの時に気まずいのがつらい
こんな狭間で迷っている人が多いのではないでしょうか。
気持ちはすごくわかります!けれど、この時期に勢いでやめてしまうのは注意が必要です。
少し休憩をとり、気持ちを落ち着けてから、再度ゆっくり考え直してみてくださいね。
実際に不妊治療をやめるまでにかかった時間
では実際、私はどれくらいの時間で治療をやめる決断をしたかというと、何年もかかりました。
その日の気分によっても変わったりしていたので、「やめどき」を考え始めてから実際にやめるまでは、期間で言うと4年間。結構な時間がかかりました。
たとえば
この時、「別になにも感じない」「私は私」と思えるなら、「やめどき」を前向きに考えられている人です。
私は、「やっぱり赤ちゃんはかわいいなー」「子ども欲しいな…」とうらやましくなっていました。
これは、頭で思っていることに自分の気持ちが追いついていない状態なので、あとで自分がつらくなります。
簡単に言うと「未練がある」ということです。未練があるということは、「あの時もっと、治療続けていればよかったかな」と後悔するかもしれないということ。
私は、この感情からなかなか抜け出せず、覚悟を決めるまでに時間がかかりました。
*職業柄、子どもを見ることが多かったのも大きいかもしれません。
なので、やるだけやろう!と助成金申請ができるギリギリまで頑張ると期限を決めて治療をしていました。
不妊治療をやめる決断ができたきっかけ
なぜ私は決断できたのか。その理由は2つあります。
①旦那くんとの関係
私の場合、もともと旦那くんと日々の会話は多い方で、なんでも話せる関係です。なので、他愛もない話から子どもの話や将来の話など、シビアな話も全部します。
「子どもが欲しいか」の話し合いも何度も何度もしてきました。休日には2人で出かけたりと共有する時間も多いので、子どもができなかったら、この時間が長く続くだけだなと、未来に対する生活の不安がなかったのも大きかったです。
②同僚からの一言
頑張ると決めた期限も終わりに近づいていたある日。
3人の子持ちの同僚に話を聞いてもらっていた時に言われた言葉があります。
「神様は人生に1度、その人が乗り越えられると思う最大の試練を与える」って本に書いてあったよ。それが、えりすけにとっては今なのかもね。たとえば、
- 子どもは3人いるけど、離婚する
- 子どもはいないけど、夫婦仲がいい
えりすけは、どっちがいい?
私は、完全に後者でした。
そして、家で旦那くんにも話して聞いてみると、旦那くんの答えも後者でした。
子どもがいて夫婦の仲もいい家族、これに越したことはないんですけどね。
私たちはここで、おのずと自分たちの人生の決断が決まっていたことに気がつきました。
「あれっ、じゃあなんで私はこんなにも子どもがほしかったんだろう」
私はどうして子どもがほしいのか。
- 子どもがかわいいから?
- 周りがみんな産んでいるから?
- 世間一般では結婚=妊娠だから?
私は誰のために子どもがほしいのか。
- 自分?それとも旦那くんをパパにしてあげたかった?
- 友達や家族・親戚との集まりで気まずいのが嫌だから?
こういった「しがらみ」や「圧力・視線」から「子ども」に固執していたことも否定できず、この言葉を聞いてから、私の気持ちは変わり始めました。
親戚の集まりは年に数回。旦那くんとの生活は毎日。年に数回の行事を割り切れれば、2人で好きなことをとことん楽しめる時間の方がたくさんある。そんな人生もいいじゃん。
こう思えるようになってからは、気持ちもスッキリします。
「もう、治療やめよう」「そうしよう」
本当の意味での治療の終了は、意外にもあっさり・スッキリしていました。
不妊治療をやめたあとの心境
頭で思っていることに気持ちが追いつき、頭と心のバランスがとれてからは、以前より人目が気にならなくなり「私たちは私たちらしく」楽しめるようになりました。
今でも赤ちゃんを見るとかわいいですし、保育士も続けていますが、「赤ちゃんがほしい」とは思っていません。強がりではなく、自然にそう思えるから、つらくないんですよ。
ただ、親戚の集まりなどで子どもの面倒をみれていない親を見ると、残念な気持ちになります(笑)
不妊治療をやめた私たちの今
私もそうでしたが、子どもがいない人生を決断することって、本当に覚悟がいることですよね。けれど、子どものいない生活だって、楽しいですよ。私たちの生活は今、とても充実しています。
1番のいいところは、自由に使える時間が多いこと。大人2人なので、好きな時・好きなように出かけられます。思いつきで遠出もできるし、気ままに車中泊とかもできます。2人で飲み歩きもできるし、誰に縛られるわけでもありません。子どもがいたら、なかなかできませんよね。*上記写真は上高地へ行った際の写真です。
子どもがいたら学費や塾、習い事にお金がかかりますよね。その分私たちは、自分たちの趣味にお金を費やすことができます。私たちは、お互いに趣味があるので、ここに投資ができることは正直、うれしいです。
*趣味ブログもありますので気になった方はのぞいてみてくださいね。
そしてもうひとつは、夫婦の絆が強くなったこと。これは、不妊治療の経験者の夫婦には多いと思いますが、不妊治療は1人ではできず、2人で乗り越えるものなので、一緒に悩んで、一緒に治療していきますよね。そうしていくうちに、一般家庭の夫婦とは違った形で、夫婦の絆が強くなると感じています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は不妊治療の「やめどき」をお考えの方へ、私の実体験をお伝えしてきました。
まとめると
- やめどきは、頭と心のバランスがとれた時
- 後悔・未練のないよう「やれるだけのことはやる」「期限を決める」
- 「夫婦2人での人生もありかな」と思えるか
だいじなことは「私たちらしく」です。他の人のことは気にしなくて大丈夫。「やめずにもう少し頑張ろうかな」と思った方や、「私も、やめる!」と思った方どちらにとっても、この記事が前向きな考えに背中を押せますよう、願っています。
コメント